ミュージカル『手紙』_2017/02/05夜_東京千秋楽

中央上手ブロックにて観劇。

 

 あれから数日経つのに、まだ引っかかりがある。その時点で作品としては優れていたのだと思う。だが途中から、スーツ姿のもっくんカッコいいな、しか考えていられなくなったのも事実。日常のすぐ横にある落とし穴の淵を、転びながら歩くような作品だった。

 唯一の救いは、藤田玲さん演じられる祐輔の存在。突如犯罪者の家族として生きなければならなくなった主人公・直貴を、付かず離れずの素晴らしい距離感で支え続けてくれる友人だ。あんな友人を持っている旦那が欲しい。祐輔は直貴の味方。そう単純に納得できたのは、やはりミュージカルだからか。

 その日の夜はALTAR BOYZも観た。午前中に「天国も地獄もない、目の前の現実」という実に複雑なテーマを突きつけられた後に、「ぼくらが導いてあげるよ!!」という天国の叩き売りだったので、先に手紙を観ておいて本当に良かったと思った。もしも逆の順番で観ていたら、耐えられなかったかもしれない。

 

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