今度生まれかわっても、また一緒に、Rockやろうぜ……

 ゲーム、アニメ、そして舞台と、『幕末Rock』という作品の展開の最後として始まったのが超歌劇(ウルトラミュージカル)*1幕末Rock』だ。わたしはそもそも『幕末Rock』のアニメがだいすきで、その流れで超歌劇の初演も観た。ゲーム・アニメ自体、トンデモ豪華キャスティングで展開された作品なので、ぜひたくさんの方に観て欲しいのだが、今日はその舞台について。超歌劇『幕末Rock』が、わたしの観劇ライフの始まりだった。もともと映画や漫画、アニメは浴びるように摂取していたが、舞台となると別だった。超歌劇初演も、1回くらい試しに観ておこうか程度の、ある種怖いもの見たさで足を運んだようなものだった。

 

 初見。KIMERUさん演じられる、徳川慶喜の歌声にビビり倒し、あれは勝てないでしょ……と友人と話したのを覚えている。キャストも格好良かったね、程度の感想しかなく、こういう世界なんだ、としか思わなかった。舞台は駆け足の『幕末Rock』としか感じられず、歯痒い印象だった。けれど、なぜかもう一度観たくなった。当時から、『幕末Rock』は舞台で終わりです!!という公式からの圧は遠回しに伝わって来た。それでもフワフワした状態では『幕末Rock』という作品から離れ難かった。消化不良というか、とにかくこのまま『幕末Rock』とさよならしたくないな、ただその想いから、わたしは銀河劇場へと向かった。

 あと一回観られればいいや、というテンションだったので、前楽から当日券に並んだが、サクっと落選した。銀河劇場からは歩いて帰れるからそのまま帰ることもできたが、友人が駆けつけてくれることになった。なにやってんだ、と思いながらも前楽の間はスタバで時間を潰し、千穐楽の抽選を待った。結局、千穐楽の当日券抽選には、100人以上が並んでいたような気がする。数時間後、わたしは「舞台の千穐楽」という楽しさに初めて圧倒され、隣の見ず知らずのお姉さんと、キャ〜とか言いながら笑い合うなんて、想像もしていなかった。センセー推しだったお姉さん、まだ超歌劇『幕末Rock』を観ているだろうか。

 

 あれから3年。その間にわたしは転職もして、舞台に足繁く通うようになり、3年前とはまったく違うオタク活動をしている。なぜ自分がここまで魅了されるのか、常々考えているのだが、まだ答えは見つからない。見つかってしまえば、もしかしたら趣味としての楽しさは完了してしまうのかもしれないが。

 その間、超歌劇『幕末Rock』は、メインキャストをそのままに、初演をブラッシュアップした再演、メインキャスト変更を経て続編を上演してくれた。舞台作品において我々を悩まし続ける所謂「キャス変」問題をも、超歌劇『幕末Rock』でわたしは初めて学んだ。語弊を恐れず書くが、わたしは初演メンバーがだいすきだった。初演と再演の間で開催された今はもうないパルコでのイベント、目の前にメインキャストがずらりと並び、メインキャストの変更なく再演を告げられた時には、応援していた気持ちが全肯定されたようで、泣きながら拍手したのを覚えている。再演時、初めて「全通」した六本木ブルーシアター。この賛否両論ある劇場も、先日ラスト公演を終えた。たった3年のうちにいろいろなものはめまぐるしく変わっていて、それこそ超歌劇が続いていること自体が奇跡だ。だがどうしてもわたしはキャス変を受け容れられず、再演の円盤は、実は一度しか観ていない。

 

 それでもやはり超歌劇『幕末Rock』が、わたしに舞台を教えてくれた。誰かを「推す」ということ、全通する過酷さ(作品を正しく受け取るための体力的に自分はひ弱だと思い知った)、キャス変がなにをもたらし、なにを奪うのか。舞台の楽しさも、苦しさも、超歌劇『幕末Rock』が教えてくれた。そんな作品が明日、ついにファイナルと銘打って、雷舞(ライブ)公演を始める。楽しみのような、さみしいような。漏れ伝わる大阪公演の情報を読みながら、ついに終わるのだなと思う。

 

 超歌劇『幕末Rock』の煌(ファン)が口を揃えて言う、観客も舞台の一部。あの一体感は、超歌劇でしか得られなかった。舞台の左右にはパトランプがあって、それが光っている間はペンライトを点灯して良い、というのが超歌劇ルール。昨今はペンライトを使用して良い公演が増えたが、作品の一部であることを能動的に始終求められるのは、超歌劇だけだ。燃え盛る炎も、観客が赤いペンライトで演出しなければならないなんて、なかなかに観客への要求が高い舞台だと思う。けれどそれが楽しいのだ。無心にペンライトを振り、舞台上からレスポンスを求められる時、観客であるわたしたちは否応なく超歌劇『幕末Rock』の住人となり、日常からは切り離される。それこそが観劇の醍醐味であり、楽しさを形成するひとつだと思う。つらつら書いたが、超歌劇『幕末Rock』を生で観ずに一生を過ごすのはあまりにもったいないので、ぜひあの熱情(パッション)を劇場で体感して欲しい。楽しいことは保証する。

 

初演がGYAO!(もう『さよならソルシエ』再演配信含めて頭が上がらないです)

にて無料配信中!!!!

これさえ観れば、あなたも立派な超歌劇民!!

とにかく観るぜよ!!!!

明日から始まる

超歌劇『幕末Rock』絶叫!熱狂!雷舞

(クライマックスライブ)

 

はまだまだチケット発売中!!!!

一緒にRockするぜよ!!!!

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*1:()内が読みがなです。雷舞と書いてライブです