ありがとう2017年、おいでませ2018年

 あけましておめでとうございます。新年を迎え、昨年の観劇記録をさらってみた。ざっと今年の観劇予算の目算を立てたいし、数年以内にNYのブロードウェイに行ってみたいと考えているから、昨年の反省を活かして今年は上手く観劇したいなと考えている。

 一番の反省は、昨年のお正月に立てた「同じ演目の観劇は1回まで」という目標をことごとく裏切る観劇生活をおくったこと。花髑髏なんて9回行った。だが週末は舞台だという心の抜け道があったからこそ、イヤなことにも耐えられた瞬間が数限りなくあった。決して安い趣味ではないが、心の健康維持のために必要だったということにしておこう。

 

 自分でも驚いてしまったのは、とある俳優さんを推すのをやめたのが、つい昨年のお正月のことだったということ。そして新しく応援したい俳優さんに出会えたのも、去年の2月のことで、まあまあ……というかかなりの移り気に笑えて来た。以前のブログに「スキになれるキャパ」について書いた*1が、やはり心のキャパシティというのは限られている。それこそ『SHERLOCK』のシャーロックのように、不要な情報は頭から削除しなくては、精神の宮殿は推しでいっぱいになってしまうだろう。

 

 先日まで放送されていた『監獄のお姫さま』という作品がとても面白かった。それぞれ極悪犯罪者というほどではないが、それなりに罪を背負った女囚のおばさんたちが、冤罪を着せられ刑務所にやって来た「姫」というあだ名の歳下の女の子のために奔走する物語。

 女囚たちの中に一人、「女優」と名乗る登場人物がいた。彼女は若手俳優にハマり、月100万を超える額をその趣味に費やし、最終的には結婚詐欺や横領にまで手を出して、刑務所にいるという設定。彼女がハマった作品は剣道をモチーフにしており、さらには彼女が刑務所でハマっているドラマ番組には黒羽麻璃央さんが出演しているなど、なかなかにこちら側をよく観察した印象だった。そして同時に、自分の後ろをひたひたと付き従っている黒い影にもしも呑まれてしまったら、という最悪の未来を見たようでもあった。

 

 舞台を観ることは会うという行為。これはとある俳優さんが話されていたことで、だからこそ観劇は楽しいし、推したいと思えるし、それがテレビや映画と大きく異なる利点だろうとも思う。その俳優さんの言葉を知るまでは、わたしは推しに「会う」という言葉がものすごく苦手だった。なぜなら舞台やイベントというものは1対複数であり、「会う」という行為には、どうしても相互認知というか、相互に約束を取り付けて、お互いの許諾があってこそ実現できる印象を持っていたからだ。

 演者さんは観客を選べない。わたしたちは観るものを選択できるが、観られる側は、観る人間は選べない。つまりその行為は一方的で、それを相互的に語るのは、ボタンを掛け違えた時のような気持ち悪さを感じていた。だがとある俳優さんが語った、出会えるからこそ我々は、より利便性の高い娯楽よりも、何ヶ月も前から予定を調整し、高いお金を払ってまで舞台を観るのかもしれないという言葉は、説得力があった。けれど未だに、わたしは会ったような「気がする」から観劇は楽しいのだと思っている。ストレートに観劇を、会う行為だとは断言できない。目が合ったような「気がする」から楽しいのであり、もしかしたら日によって演技を変えているような「気がする」から、舞台作品はより鮮烈に観えるのだと思う。舞台とは、作品や役者さんたちと「会うこと」と、受け止める側の人間が強く定義してしまうと、自分の背後の影が濃くなるような感じがする。生身の人間を応援するのは、なかなかどうして業が深い。

 

 つまるところわたしは、自分を応援し切れないから他人を応援しているようなふしがある。誰かを応援できる余裕のある自分がすきだし、会えるという要素に否定的になることで、「理性的なファン」かのような錯覚に酔っている。推しさんには長文の手紙を送り、迷惑かもしれない差し入れを繰り返す時点で、充分理性的ではないにもかかわらず、だ。

 

 誰かやなにかを応援する行為は、一見ものすごく明るい衝動に思える。運動会で我が子を狂ったように応援する親たちの気持ちが、今ならはっきりとわかる。会社や社会という理不尽な世界で生きる大人たちが、走るのが遅いか速いかの単純明快なルール下で起こる競争を応援するのは、かなりのストレス発散になるだろう。しかしながら自分が応援しているのは運動会で奮闘する我が子ではなく、生身の赤の他人であり、せいぜい話せたとしても「お誕生日おめでとうございます!!」「チェキのポーズはハートでお願いします!!」程度の人だ。「リレー頑張ったから今夜はカレーよ!!」と励ませるわけではない。それでも、それでも、舞台上からきらきらと降り注ぐ光と音の波に包まれたくて、今年も劇場に通う日々は続くのだろうと思う。

 

 

2017年に拝見した舞台やイベント。

赤字が昨年に大きく心動かされた作品、かつ誰かに観て頂いて、叶うなら空気の良いカフェで意見交換したかった作品。

☆黒羽麻璃央 オフィシャルサイト発足記念イベント

良知真次 SHINJI RACHI LIVE 【HISTORY ROAD ~COLORS~】

☆生男ch 番外公開放送 ~ALTAR BOYZ -Team GOLD&Team LEGACY~

☆2017年版ミュージカル『手紙』
☆舞台「メサイア-暁乃刻-」

☆ベストオブ・オフブロードウェイミュージカル ALTAR BOYZ 2017 TeamLegacy

☆ベストオブ・オフブロードウェイミュージカル ALTAR BOYZ 2017 TeamGold

☆ベストオブ・オフブロードウェイミュージカル ALTAR BOYZ 2017

 合同スペシャル追加公演

☆内藤大希の秘密の会議室 公開放送 ゲスト大山真志

☆舞台『弱虫ペダル』新インターハイ篇~スタートライン~

☆超歌劇『幕末Rock』黒船来航 BD/DVD発売記念イベント

☆ミュージカル『刀剣乱舞』~三百年の子守唄~

☆ミュージカル「さよならソルシエ」再演

☆ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season花

☆ミュージカル 王家の紋章

☆黄金週間は?るひまの映画祭!

 『ぼくとしょカウントダウン!』みどりの日上映会

☆ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~

☆ミュージカル レ・ミゼラブル
☆ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season鳥

劇団四季ミュージカル オペラ座の怪人

☆Space Craft ASAKUSA Reginal Theater 『トワイスアップ』

 ~スペースオペラは今はいらない~&大山真志 Special Live

大山真志 生誕!!大山祭2017~Birthday Musical Stage~

☆ミュージカル「しゃばけ」弐~空のビードロ・畳紙~

☆ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season風

☆Space Craft ASAKUSA Reginal Theater「STAGE秋」 『トワイスアップ』

 ~沈んだ碧は息ができないそんな場所~&大山真志 Special Live

☆PARCO & CUBE 20th peresent 「人間風車

☆PARCO presents 『ロッキー・ホラー・ショー

☆超歌劇『幕末Rock』絶叫!熱狂!雷舞(クライマックスライブ)

☆ミュージカル『刀剣乱舞』~真剣乱舞祭2017~

☆Space Craft ASAKUSA Reginal Theater「STAGE冬」 『トワイスアップ』

 ~自分を偽るそんな夜に本音を語れる雪が降る~&大山真志 Special Live

☆ミュージカル「メンフィス」

☆ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月 下弦の月

劇団四季 Disney アラジン

☆ゆく年く・る年冬の陣 師走明治座時代祭

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